2020年12月22日火曜日

飯田橋 アブイサーム (Abu Essam)

飯田橋アブイサーム(Abu Essam)。静かな路地の中に、お洒落に佇む店がある。4月にオープンしたこのお店は、ファラフェルやフムスなどのアラブ料理を提供していて、店頭ではドネルケバブも回っている。
このお店を知ったのは、ケバブ界でも最も有名なブログの一つ「東京ケバブ」で紹介されていたからである。ここの情報は詳しい。私のブログよりも何倍も参考になるので、ケバブに興味のある方はフォローするといいだろう。

実際に注文しようとすると、メニューが盛りだくさんで、何にしようか迷ってしまった。すると親切な店員さんが、お店の紹介とともにおすすめを教えてくれた。
この店は広くアラブで食べられている料理を提供しているのだが、「コシャリ」という料理だけは、エジプトにしかない料理だそうだ。米の中にスパゲッティやマカロニなどのパスタや豆などが混ぜられていて、上からトマトソースをかける。エジプト出身のシェフ自慢の料理とのことで、想像するだけでとても美味しそうだ。
このコシャリがアブイサームの人気メニューであるとのことだが、もう一つチキンのケバブサンドも好評で、人気を二分しているとのこと。そして最もおすすめなのが、コシャリのチキンのせ。コシャリの上にチキンケバブが乗った欲張りなメニューだ。ここまで説明されたからには、これを食べない手はない。

コシャリのチキンのせが運ばれてきた。米とパスタと豆の混ぜご飯の上に、フライドオニオンとチキンケバブとトマトソースとケバブの白いソースが乗っている。この組み合わせからして半端なく美味しそうだ。食べる前からこれはやばいと思ってしまう。さらにサービスでスープをいただいた。これは嬉しい。
味はアメージングだ。こんなに美味しい料理があったのかと思った。想像通りかなり濃厚な味だ。しかしトマトソースの酸味が絶妙で、組み合わせると決して重くはない。エジプト料理とはこういうものなのか。コシャリを食べればみんな満足できるだろう。だが今回はさらにケバブ肉があり、これがまた良い。

このチキンケバブはとても美味しい。伊達に人気メニューではない。柔らかくそしてあっさりとした優しい味わいは、多様なスパイスで一日かけてじっくりマリネされて生み出されたもの。正直に言うと、今まで食べたチキンケバブ肉の中で一番美味しいのではないかと思った。これのサンドも傑作に違いない。
美味しいコシャリであったが、アブイサームが素晴らしいのはそれだけではない。店員さんがとても親切なのも嬉しいところだ。零細ケバブブログのために色々と写真を撮らせていただけた。ケバブでない他の料理の紹介があってもいいじゃないという前向きな言葉は、なかなかにエネルギーを貰える言葉である。


2020年12月3日木曜日

新宿 スマイルケバブ (Smile Kebab)

新宿西口ヨドバシカメラ付近に、かなり個性的なケバブ屋がオープンしていた。店名はスマイルケバブ。もともとは移動販売を主戦場としていたようで、今年の10月に店舗を構えたそうだ。ここはケバブをメインに焼いているのだが、他にもステーキやピザを焼き、さらにインドカレーも提供している。他にもケバブと他国の料理を出している店はあるのだが、ここのように殊更ケバブが強調されるわけでもなく、あくまでメニューの一つとして書かれているのは珍しい。なんとなくケバブやトルコ料理を敬遠している層は入りやすい店ではないだろうか。
チキンケバブ丼単品(600円)を注文。ソースを何にするか聞かれたのでおすすめを伺ったところ、中辛とテリヤキのミックスが良いとのことで注文。普通は中辛か、ガーリックと何かのミックスを推奨されることがほとんどなので、テリヤキを加えられたことに驚いた。この点も、ここの個性を感じるところだ。
チキンケバブ丼がカウンター越しに渡された。見よ、このどこにも無いオリジナルのケバブ丼。ご飯の上にケバブと野菜が乗っているのは当然として、他にポテトサラダとオリーブ、さらに福神漬けが添えられている。こんなケバブは見たことがない!
ここまで盛りにこだわるからには当然味が良い。見た目がいいケバブは美味しいのである。肉は柔らかくしっかりと味付けがされている。ソースが中辛にしては意外に辛めで、なるほどテリヤキの甘さを加えるのはバランスが良い。ケバブに慣れた身からすると、一切トルコ感がしないケバブ丼なのだが、そもそもケバブ丼がトルコじゃない。店のメニューからしてトルコ感がしないのだが、「トルコの変わった肉料理」ではなく、美味しい肉料理の一つとして訴求しているところに、新しいケバブの波の到来を感じずにはいられない。