蒲田と蓮沼の間、キッチンすみっこ。ここはかつて蒲田駅前に存在した伝説のカレー屋、南蛮カレーのコックが営む、南蛮カレーの味を受け継ぐ店である。私も蒲田に行けば毎回のように行っていた。頼むのは決まってカツカレー。そのカツカレーこそが南蛮カレーの名を世に知らしめたメニューである。
かつての南蛮カレーは食券制であったのだが、皆が頼むのは決まってカツカレーであり、押すボタンの位置は同じなのである。この事に注目し、カウンター内のコックの一人が食券機を常に凝視していて、そのボタンが押された瞬間にカツを切り始め、カレーをかけ、客が席に着くと既にカツカレーがあるのだ!
在りし日の南蛮カレー
当然注文を受ける前から揚がっているわけだが、ひっきりなしにカツカレーの注文が入るので実質揚げたてである。しかも上にあった洋食屋と経営が同じとかでカツが分厚いのである。量が多く並でも普通の店なら大盛りのボリュームであった。なおたまにフェイントをして違うメニューを押す人も居たようだ。
南蛮カレーの代名詞カ...