2019年10月6日日曜日

蒲田 キッチンすみっこ

蒲田と蓮沼の間、キッチンすみっこ。ここはかつて蒲田駅前に存在した伝説のカレー屋、南蛮カレーのコックが営む、南蛮カレーの味を受け継ぐ店である。私も蒲田に行けば毎回のように行っていた。頼むのは決まってカツカレー。そのカツカレーこそが南蛮カレーの名を世に知らしめたメニューである。

かつての南蛮カレーは食券制であったのだが、皆が頼むのは決まってカツカレーであり、押すボタンの位置は同じなのである。この事に注目し、カウンター内のコックの一人が食券機を常に凝視していて、そのボタンが押された瞬間にカツを切り始め、カレーをかけ、客が席に着くと既にカツカレーがあるのだ!

在りし日の南蛮カレー
当然注文を受ける前から揚がっているわけだが、ひっきりなしにカツカレーの注文が入るので実質揚げたてである。しかも上にあった洋食屋と経営が同じとかでカツが分厚いのである。量が多く並でも普通の店なら大盛りのボリュームであった。なおたまにフェイントをして違うメニューを押す人も居たようだ。
南蛮カレーの代名詞カツカレー(大盛)

キッチンすみっこを訪れた私は迷わずカツカレーを注文した。注文したと書いたがここは食券制ではないし、当然コックのチェックも入らない。席についてからゆっくりとメニューを見ることができる。カツは注文が入ってから揚げ始める。かつての駅前のカレー屋ではなく街の「すみっこ」の洋食屋である。
しばらくしてカツカレーがやってきた。「これだよ、これ」そう心の声が聞こえてきた。楕円形の皿にご飯と左端にキャベツ、ご飯の真上に分厚いカツ、そしてカツの上から万遍なくかけられたルー。その全てがまさに南蛮カレー。当時私はカツの上からソースをかけていたが今回は敬意を表しそのままで。
美味い。多分9年ぶりの思い出がスパイスになっているとは思うけど、この味には安心する。カツの衣が取れやすいのも当時のまま。衣が取れても肉が厚いのでガッカリしない。キャベツが水っぽい。でもそれが南蛮カレーだ。当時以来の来店である事を伝えたら大変喜んでおられた。また通いたいお店である。
テーブルには南蛮カレー伝統の緑タバスコと普通のタバスコ。南蛮カレーのカウンターには何故か緑タバスコが置いてあって、辛党であればこれをかけて食べるのが通であった。

現在の南蛮カレー跡地

2019年9月25日水曜日

秋葉原 アンテップケバブ

秋葉原アンテップケバブ。原宿で最高のケバブ屋の新店が秋葉原にオープンした。場所は中央線高架下を西へ、オノデンの裏口の近くにある。店内は明るく広くゆったりとしている。この点秋葉原はもとより全てのケバブ屋と比べても特筆ものだと思う。ケバブ激戦区に新しい顔がやってきた。


アンテップケバブと言えばケバブラップである。焼きたてのチキンにこだわりの7種類の野菜が巻かれたラップは他のケバブとは一線を画す味で、幾多のケバブラップの中において最高である。ケバブが苦手な人でもこれを食べれば考えが変わるだろう。これを目当てに何度も原宿に足を運んだものである。


ケバブラップをミックスソースで注文。これは個人的におすすめの組み合わせである。ガーリックソースを入れるか確認されるが、もちろんそれもミックス。ガーリック感は弱いので殆どの場合問題ないだろう。素晴らしい味で、これを秋葉原に行ったときに食べられるのは嬉しい。


原宿でおなじみ、店主のムスタファさんは秋葉原に居た。基本的にここでケバブを焼いているとの事。覚えてくれていてドリンクをサービスしてくれたのが嬉しい。


2019年9月14日土曜日

原宿 アンテップケバブ

原宿アンテップケバブ。アンテップスペシャルを注文。アンテップスペシャルとはいわゆるプレートのケバブなのだが、もう一つあるケバブプレートとの違いはポテトがこちらの方が多いとの事だ。ソースはガーリックを選択。アンテップケバブ待望のプレートメニューに期待が高まる。

暫く待つとたっぷりと盛られたアンテップスペシャルがやって来た。チキンとライスにガーリックソースがかかっているが、それとは別にポテトにはチーズソース、サラダには恐らく辛口のソースがかかっている。具材によってソースを使い分けている。驚くべきこだわりようだ。

注目の味であるが、ここはアンテップケバブ流石の美味しさである。素晴らしい味のチキン、もはや語るまでもないだろう。ガーリックはあまり主張がなくやや単調に感じられるが、そこで口直しの他の2種類のソースが良い仕事をしてくれる。たっぷりのライスは普通の白米。これは好みが分かれるだろう。この量で600円は破格である。普通は900円だろう。


さて今日はかなり盛況だったが、ここは注文を受けてから作るので出てくるまでに時間がかかる。ここは珍しいケバブもピタも作りおきしない店なのである。注文を受けてからその分だけ削っている。そこに店主のこだわりが詰まっている。

最後にケバブ界ビッグニュース。なんとあの原宿アンテップケバブが秋葉原に新店をオープンしたようだ。実は以前に新店の計画を聞いていたのだがそこは別の所であった。ケバブ最激戦区の秋葉原に進出というのは驚き以外の何ものでもないが、その美味しさは既存店を超えると確信しているので応援したい。

2019年9月11日水曜日

北戸田 ゴーゴーケバブ

北戸田ゴーゴーケバブ。イオンモールの1Fに最近オープンした。ここが他と違うのは「トルコのケバブ」ではなく「中近東のケバブ・シャワルマ」として売り出している点である。ドネルケバブから派生したシャワルマも基本同じである。海外で中東系の店だとシャワルマとして親しまれているようだ。


単にシャワルマと言わず、ケバブとも言っているあたりケバブ派の私としては好感が持てるのだが、日本人にシャワルマと言っても通じないというのもあるだろう。外観もお洒落で所謂ケバブ屋とは違う。メニューはチキンサンドの他に珍しいラムサンドと中東の揚げ物ファラフェルのサンドがある。


ミックスケバブサンドを中辛ソースで注文。チキンはドネルケバブだが見た通りラムは違う。なおここ以外でもラムのドネルケバブは今まで見た事がない。シシだったり挽肉だったりする。大きく切られたチキンはタンドリーチキンみたいな味付けで美味しい。ラムがあるのが特徴だが私はチキンが気に入った。中辛ソースは割とピリ辛である。

2019年8月31日土曜日

新宿三丁目 ケバブ家

新宿三丁目ケバブ家。アダナシシケバブプレートを注文。アダナシシケバブとはアダナ地方の名物料理で、少し辛めに味付けしたラムの挽肉を串焼きにしたものである。アダナケバブとも呼ばれる。ここケバブ家ではオリーブオイルで合えたサラダとバター風味の強いピラフが添えられている。



アダナシシケバブはラムの風味が豊かで肉汁が滴る素晴らしい美味しさであった。私はこの店のメニューで初めてアダナシシケバブを知ったので、いつかはここで初めてのアダナシシケバブをと思っていた。それが達成され満足である。今回頼まなかったが別途パンを注文する事を勧める。皿に残った肉汁と合う事請け合いだ。


2019年8月24日土曜日

秋葉原 スターケバブ2号店アキバテラス

秋葉原スターケバブ2号店アキバテラス。ビベリエケバブを注文。このビベリエケバブ、6月18日から3日間限定で提供していた20周年サンドの復刻版である。ビベリエとは具材に使われているトルコのピクルスの事。今回は8月1日からの1ヶ月間限定での提供である。

このビベリエケバブはビーフケバブに沢山の野菜とピクルス、そして魅惑の香辛料スマックを入れてソースはかけずにいただく。ビーフケバブのスペシャル版でありトルコの味に近いものかもしれない。よくあるケバブが苦手で敬遠していた方には特におすすめのさっぱりとした、それでいてビーフが力強く主張するケバブである。




2019年8月9日金曜日

四谷三丁目 オットマンケバブ

四谷三丁目オットマンケバブ。さばサンドを注文。トルコのサンドと言えば肉を使ったケバブサンドが有名だが、魚を使ったケバブサンド、バルック・エキメキ(魚のパン)がイスタンブール名物としてまた有名なのである。使われるのは鯖、イスタンブールでよく獲れる。それをトルコパンに挟んで完成。

オットマンケバブのさばサンドはキャベツ・レタス・トマト・そしてオニオンとともに自家製パンに挟まれている。味付けは伝統的なスタイルのレモン汁。そしてここでもトルコのスパイス、スマックが使われている。メニューの写真は小さそうだが実物は違う。大きく盛られていてとても美味しそうだ。


味はどうだって?これはもう最高の美味しさである。脂の乗った鯖、食べた瞬間これは肉なのではないのかと思ってしまった程にジューシーである。さっぱりとしたレモン汁と酸味のあるスマック、そしてオリーブオイルの味わいが自家製パンと混然一体、ケバブ界最高レベルのサンドが見事に彷彿している。


今まで食べてきた鯖サンドは、正直に申し上げると「鯖を挟んだサンド」という感じでどこか
まとまりに欠ける感があって、イスタンブールで人気の味とは思えなかったのだけど、今日食べるのはまさしく「鯖サンド」であって全く別のサンドといって差し障りない。初めてここに来た時以来の感動がある。


食後のホット紅茶。砂糖は少しだけ入れるか全く入れないのがシェフさんのお気に入りらしい。また新たにアルコール類の提供を始めたとの事であった。