私は前から気になっていた。あのグルグルと回転しているケバブは一体いつ頃からあるのか?トルコ人シェフに話を伺った…
昔は横向きに倒して回転させていた
今日街で見かけるドネルケバブはまっすぐ立っていて、それが水平方向に回転している。が、最初期のそれは縦に立っているのではなく、横に倒して垂直方向に回転していたのだ。その名もジャーケバブと言いドネルケバブの元祖はその形であった。当然回転させる機械などはなく手動で回していた。
ジャーケバブを削る時はドネルケバブと同じく串方向に(この場合水平に)ナイフで削るのだが、削ってそのまま下に落とすのではなく、細い串を削りたいところに水平方向に刺してその下から削る。そうすると細い串に肉が付いた状態で切り離せるので、そこから肉を取って提供する。現在トルコではほとんどが縦のドネルケバブになってしまったが、僅かに横のジャーケバブを作っている店もある。
約300年前から存在している
このジャーケバブの歴史は古く約300年前、オスマン帝国の時代から存在しているという。日本では享保年間、暴れん坊将軍・徳川吉宗が君臨していた時代だ。もともとは結婚式で出していたハレの日用のメニューで専門の店などは無かった。その後ある時点で肉は縦向きになったのだが、詳しいことは分かっていない。向きを変える時に名前もドネルケバブに変わった。1930年頃「東の方」で初めてドネルケバブの専門店が出来た。